レッド・ミルレンニュームと甲斐路の関係

川上品種ではあるものの、赤品種トップを守り続けるマスカット・ベーリーAとブレンドも多くそこそこ見かけるブラック・クイーンに比べて、その他3種のぶどう品種は、なかなかレア。見かけないわけではないものの、ベーリー・アリカントAもローズシオターも滅多に見かけなくて、タイトルのレッド・ミルレンニュームも、今のところ、2つのワイナリーのもの(新潟の岩野原葡萄園と滋賀の栗東(琵琶湖)ワイナリー=太田酒造)しか見たことがないんだけど、この2つのワイナリーのワインは入手ルートに入ってるので、何度かゲット!

以前、「川上善兵衛さんのぶどう レッド・ミルレンニューム」の記事を書いた時には、まだ、VIVCのデータベースを知らなかったので、レッド・ミルレンニュームの親は「未詳1号×ミルレンニューム」というところで、ストップしていたのですが、今回、VIVCのデータベースで検索。未詳はやっぱり未詳(川上氏によると、たぶんマスカット香のあるヴィニフェラ種とラブラスカ種の雑種)ですが、ミルレンニュームのほうは、ちょっとわかってきました。

ミルレンニュームはシャスラ・ブラン×AHMEUR BOU AHMEUR。はて、これ、どう読めばよいのだろう? 何語かな? どうやら、アルジェリアのぶどうらしいのですが、アルジェリアって、何語? いろいろやってみたけれど、意味はよくわからず…で、シノニム(別名)を探ってみると、赤字でFLAME TOKAY(フレーム・トーケイ)と! うむ、この名は聞いたことがある! 甲斐路の親品種だ!

フレーム・トーケイという名で検索に引っかかるのは、アメリカ・カルフォルニア州のローダイという町が、このブドウをたくさん生産して「世界のトーケイ首都」と言われてたけど、最近ではジンファンデル種に植え替えられて「カリフォルニアのワイン用ブドウ首都」と呼ばれてるということ。ちなみにローダイは、山梨県甲府市の姉妹都市。

系図で見ると、甲斐路とレッド・ミルレンニュームは比較的、似ている部分も多い感じ。もっとも、レッド・ミルレンニュームには、北米系が入ってる可能性もあるからなぁ。画像検索してみると、色的には似てるけど、粒の形や大きさは違うかも?

ちなみに、甲斐路は秋になると、生食用ではスーパーでも見かけるのだけれど、ワインも少しは作られているようです。まだ、飲んだことないけど。もっとも、これもマスカット・オブ・アレキサンドリアと同じで、高級生食用ブドウだし。

甲斐路は甲州三尺系のぶどうだけど、今、疑問なのは、ネオマスカットをはじめ、いくつかのぶどう品種がつくられた時、どうして交配親に、甲州ではなく甲州三尺が選ばれたのかということ。当時、どっちも、そこにあったはずだし。何か、秘密がありそう。確かに、三尺のほうが、ひと房の収量は多そうだけどね。