用語解説

難しい用語があると、それだけで読むのが面倒になるよねと考えてはいるものの、必要に差し迫られてというか、調べていくにつれて、それが当たり前になっちゃって、つい説明がおろそかになってしまうもの。ということで、日本ワイン用の用語解説のページを作ってみることにしました。あくまでも、このサイトでよく取り上げるわかり難そうな言葉のとっかかりに。とはいえ、調べれば調べるほど、知らない物事が出てくるので、まだまだ解説できるレベルじゃないんですけどね。

日本ワイン:国産ぶどうのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒。
酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」第86条の6(酒類の表示の基準)に基づいて出された「果実酒等の製法品質表示基準(国税庁告示)」(平成27年制定平成30年施行)による。ラベルに地名や品種を記載するには、細かい規定もある。

ヴィニフェラ:ヨーロッパのぶどうのこと。ピノ・ノワールやメルロー、シャルドネなど、ワインといってよく聞く名前は、ほとんどがヴィニフェラ。日本では平成30年度現在ワインに使われているヴィニフェラ種は全体の20%弱。(北米品種の日本ワイン参照。)
ヴィニフェラに対して、アメリカの主な品種はラブルスカ種、リンセキュミ種など。原種は見かけることがなく、ほとんどが交配種。

日本固有種:古くから日本で栽培されていたぶどう品種。甲州、甲州三尺、竜眼(善光寺)、紫葡萄。聚楽葡萄、水晶葡萄もあったとされる。甲州は遺伝子解析の結果、ヴィニフェラの一種とされる。このほか、日本の山林に自生する山ぶどうもある。

川上品種:日本ワインの父・川上善兵衛氏が大正期から昭和の初期にかけて交配したぶどう品種のうち、現存している5品種。善兵衛氏が創業した岩の原葡萄園では、この5品種全てが栽培されている。マスカット・ベーリーA、ブラック・クイーン、ベーリー・アリカントA、ローズ・シオター、レッド・ミルレンニューム。

北米系交配種:アメリカ原産のぶどう品種(ラブルスカ種)を交配した品種。フィロセキア(ブドウ根アブラムシ)に対する耐性があるが、フォクシーフレーバーもある。マスカット・ベーリーAをはじめ、ナイアガラ、コンコードなど多種。ヨーロッパではほとんどワインにされないが、日本国内では半数以上が北米系。北米品種の日本ワイン参照。

VIVCVitis International Variety Catalogue(国際ぶどう品種カタログ?)
ドイツのユリウス・クーン研究所・ガイルヴァイラーホフぶどう育種研究所などによる世界のぶどう品種のデータベース。ぶどう品種の特徴、交配の系図(遺伝情報)、別名(シノニム)などを見ることができる。

O.I.V.Organisation Internationale de la vigne et du vin:国際ぶどう・ぶどう酒機構:International Organisation of Vine and Wine)というフランスに拠点を持つ研究機関。EUで販売するワインについて、いろんな規則を持っている。日本固有の品種として、甲州、マスカット・ベーリーA、山幸が登録されている。

国税庁 国内製造ワインの概況:ワインを管轄する政府機関は、酒税を課税する国税庁なので、毎年のデータはここで公表されている。以前は「国産製造果実酒の概況」だったのが、法令の制定に基づいて、平成27年から変更されている。

アッサンブラージュ(Assemblage):ブレンドのこと。

セパージュ(Cepage):フランス語で「ぶどう品種」のこと。セパージュワインというと、ぶどう品種をラベルに表示したワインということで、ブレンドの割合が示されている。フランスの高級ワインは表示しないのが普通だったけれど、最近は公表されているものも多いらしい。
単一品種の場合はセパージュとは言わなくってブレンド用の言葉と書いてあるサイトもあるけれど100%の場合も言うと書いてあるサイトもあり、本当のところはわからない。

バラエタルワイン(Varietal Wine):原料となるぶどう品種に注目して、主体となるぶどう品種を大きくラベルに表記したワイン。厳密に言うと、100%単独品種ではなく、その国のワイン法にある通りで、だいたい85%ならラベルに書けるらしい(日本の基準も85%でOK)。バラエタルについては、一般的ではない感じだし、「単独」「単一」という意味ではない。日本語的には、なんか混乱する感じも。
そのためか、単一ワインという名称が使われていることもあるが、なんかなという気もする。