注目のぶどう品種 マルスラン

シャトー・ジュン(山梨)のマルスラン。
あまり聞きなれないぶどう品種だけれど、調べてみると、グルナッシュ(ガルナッチャ)×カベルネ・ソーヴィニョンの交配種。

グルナッシュはスペイン原産。南フランスやイタリアでも多くつくられている乾燥や高温に強い品種。今、世界で一番多く栽培されているらしい。世界的に温暖化しているので、ますます作りやすい地域も増えている?
色はガルナッチャの語源にもなったようにガーネット色できれいだし、糖度もあがる、さらに酸味もあるけれど、渋みに欠けるのだとか。美味しいワインにはなるけれど、比較的ソフトな感じなので、今ひとつ、パンチや特徴が欲しいところなのかも?

1961年、フランスでカベルネ・ソーヴィニョンとかけあわせてマルスランがつくられたのに、どういう意図があったのかはわからないけれど、今回飲んでみたマルスランも、結構、渋みが効いたいい感じのワイン。
日本ワインではグルナッシュはほぼ見かけないのだけれど、マルスランはそこそこ出てきている感じ。実は、マルスランはボルドーや中国、ナパバレーなどで、作付面積を伸ばしている注目品種なのだとか。
グルナッシュの血筋を引くだけあって、温暖な気候に合うということから、日本でも有力品種になっていくか?

ただ、国内のワイン嗜好がどうなのか、マスカット・ベーリーAやナイアガラ、巨峰などといった北米系の甘い香りのするワインも好まれているだけに、本格ヨーロッパ系の赤ワイン品種がどこまで必要とされているかというところも、課題だと思うのよね。
ピノ・ノワールのように、ネームバリューがあるかと言えば、まだまだだし。
グルナッシュのワインであれば、そこそこ世界の安いワインも入手できる。グルナッシュが日本であまり栽培されないのは、そこらへんに理由があるような気もするし。

世界では急成長中のマルスランだけど、日本ではどこまで伸びるのか? まだまだ、わからない感じもします。