行者の水

以前、「富士の夢」というぶどう品種を使ったワインを買ってきた。その時に、記事にもしたけれど、(その時の記事はこちら

富士の夢

志村葡萄研究所の志村富雄氏が交配した品種。
山ぶどうの「行者の水」とメルローのかけ合わせ。

今回、見つけたのは、「北天の雫

なんとなく、ネーミングに共通項があるのと、ラベルの裏に「行者の水×リースリング」と交配情報が。行者の水と言えば、富士の夢、富士の夢と言えば、志村氏作かなと思って調べたら、アタリでした。

志村富雄氏は、マンズワインに在職中、「浅間」「信濃リースリング」などの交配種を作った方とのこと。退職して、ご自分の研究所を設立されたのですね。

北天の雫

志村葡萄研究所の志村富雄氏が交配した品種。
山ぶどうの「行者の水」とリースリングのかけ合わせ。

富士の夢は赤品種だったけど、こちらは、山ぶどうなのに白品種というのが、おもしろいところ。

どちらも、日本土着の山ぶどうが入ってるぶん、ヨーロッパ系の品種そのものよりも丈夫で育てやすいらしいです。

やまとなでしこ

志村葡萄研究所の志村富雄氏が交配した品種。
山ぶどうの「行者の水」とピノ・ノワールのかけ合わせ。

山梨県の笛吹市、なでしこ農園で栽培されています。ワインは、スズランワイナリーでつくられています。

もっと、あるのかなぁと思わないでもないのだけれど、研究所のサイトには富士の夢と北天の雫しか出てないし、やまとなでしこは、あっちこっち検索している時にたまたま引っかかってきただけなのね。

ちなみに、北天の雫、筑波産のぶどうを笛吹のスズラン酒造でワインにしたものを飲んでみたんだけど、一口目の感想は日本酒! 酵母や醸造の仕方もあるのかなとは思うのだけど、(富士の夢も日本酒酵母だった)、山ぶどうの遺伝子由来の何かがあるのかしら?
やまとなでしこも飲んでみなくちゃね~。

追記(2021/4/4):またまたウロウロしていたら、行者の水系交配種を見つけてしまいました。

天城の滴:久世福商店(サンクゼール)のオリジナルワインにブレンド。伊豆天城山の山ぶどう=行者の水と、カベルネソーヴィニヨンを交配させた品種らしいという記述はWEB検索で見つけたけれど、なんかネタ元がハッキリしない。長野(サンクゼール)と中伊豆ワイナリーの葡萄酢に使われているとのこと。「天城乃滴」とも。
同じく、行者の水×カベルネソーヴィニヨンでは「志汰乃輝」の名も。こちらは、山梨(北杜市)のフジッコワイナリー。
太陽の丘ワイナリー(山梨北杜市)のサイトによると、志汰乃輝 は前出の志村富男氏と太陽の丘ワイナリーの志田氏とが品種登録した品種で、中伊豆ワイナリーで商品化されたとか。このワイナリーでは「北杜の雫」シリーズとして商品化。ということは、品種名が志汰乃輝で、別名が天城の滴や北杜の雫 だったりするのかも?
うさうさのプチファーム(長野県大町町)では、同じ交配:行者の水×カベルネソーヴィニヨン(しかも志村氏交配)の「富士の雫」が。この名前では、結構、いろんなワイナリーでつくられていることが判明。ただ、富士の雫については、えびづる×カベルネソーヴィニヨンとの情報も。(行者の水はサンカクヅルだそうで)

天恵の雫 が、行者の水×メルロー。山梨北杜市のヴィンテージファーム。

もっとも、ネーミングからして、みんな志村氏ファミリーのような気もするのですけどね。

その他の山ぶどう品種については、ちょい古い記事ですが「山ぶどうのワイン」こちらもご覧ください。