旅路(紅塩谷)

twitterのタイムラインで『旅路(北海道ワイン)』を目にするたび、「北海道内限定か~」と残念に思っていたのですが、moripapaが、たまプラーザ(横浜市)の東急百貨店でみつけてきました。電話で相談を受けたのですが、「即、買い!」ですよね。これは。(4月3日現在、東急百貨店たまプラーザ店にはありません。)

オレンジワインということもあり、瓶の上からも、「オレンジ!」なのがわかります。WEBサイトで見ていた時よりも、オレンジな感じ。

さて、ぶどう品種としての「旅路」ですが、別の名前は「紅塩谷」
北海道小樽市の塩谷地区で古くから栽培されていたぶどう品種とのこと。
今では、小樽の隣の余市町・仁木町でのみ栽培されているそうです。

「旅路」の名前の由来は、この塩谷を舞台にした朝ドラのタイトルから。
昭和42年から昭和43年放送。

中粒の紅系で、白い縞模様入り、グズベリーのような……とも形容されています。
ジベレリン処理で種無しにするそう。生食用ですね。(ああー、どんどん「生食用ぶどうでワインを?」の中で取り上げていない品種が増える……)

自然交配でできた種で、フォクシーあり。ブライトン種の亜種との情報も。
ブライトン(BRIGHTON)は、最近では聞きなれないぶどう品種ですが、検索すると、日本でも結構、栽培されてた品種のようです。

大正8(1919)年の余市、仁木地方のぶどうの優良品種は、シヤスラードフォンテンブロー、シヤスラーローズ、デラウェア、カメルスアーリー(キャンベルス)、ブライトンとされました(『北海道果樹百年史』より)

余市町ホームページ「余市町でおこったこんな話 その142「ワインぶどう」より

飲んでみたところ、なんとなくキャンベルアーリーっぽい感じも。FOXYは、あり。
上記の記述からすると、
紅塩谷ができる前、当地にはデラウエア、キャンベルアーリー、ブライトン、シャスラードフォンテンブロー、シャスラ―ローズの5種類があったわけで、親の候補もこの5種類。キャンベルアーリーが片親である可能性も……ある?

ちなみに、シャスラ―ローズはシャスラブランの変異種。別名、シャスラヴァイオレット。シャスラードフォンテンブローはシャスラブランのシノニム(別名)。シャスラブランは、スイス原産のぶどう品種。
デラウェア、キャンベルアーリー、ブライトンは、北米系交配種。

旅路ワインの説明の中では「マスカット」の香りと書いてあるのもあり、それが確かであれば、マスカット(オブ・アレキサンドリア)の遺伝子を持つのは、キャンベルアーリーだけのはずなんだけどなぁ。「北米系品種の相関図」参照のこと。

今回いただいた「旅路」の感想としては、辛口に作ってあったというのもあるけれど、最初の一口はちょっと酸味があるって感じで、香りのフォクシーは緩め、とにかく和食(野菜の天ぷらでしたー)にバッチリな感じでした。