ミュラー・トゥルガウの栄枯盛衰

甘めのドイツワインが好きだった頃(かなり前)、安ワインしか手が出ない我が家でよく(といっても、今ほど飲んでない)食卓にのぼっていたのは、リープフラウミルヒとか、シュバルツ・カッツとか。
いずれも、ミュラー・トゥルガウが使われていて、そのためか親しみもあり、我が家の飲んだワインをリストアップしてみるまで(「どんなぶどう品種を飲んできたか?」参照)、日本のミュラー・トゥルガウのワインを一本も飲んでいなかったことに気づかなかったのでした。……ということで、買ってみました!

ミュラー・トゥルガウ

スイスのトゥルガウ出身のヘルマン・ミュラー博士によって育成された白ぶどう品種。(1882年 ドイツ・ガイゼンハイム研究所)
別名、リヴァーナー。
リースリングの特徴に、シルヴァーナーの早熟性を狙って開発された品種なので、以前は「リースリング×シルヴァーナー」と言われていたこともあったけれど、最近の遺伝子分析では、「リースリング×マドレーヌ・ロイヤル」という説が有力。

ホイニッシュ・サヴァニャン

主要産地は、ドイツ、オーストリア。日本では北海道や東北地方、山梨など。
うちで飲んだのも、北海道のワイナリーさんのもの。

ドイツでは、過去一番に栽培されていた品種だけれど、1979年の冷害以降、減少傾向に。というか、以前はドイツというと、ほぼ「白ワイン」オンリーだったけれど(発掘された『世界のワインハンドブック1993年版』では、ドイツのワインは白しか紹介されてません)1980年代にドイツでも赤ワインブームが起こったことも、ミュラートゥルガウの衰退の一因になったのかも? もっとも、今でもドイツの主要品種には変わりなくて、リースリングに次ぐ第2位。ま、頂点からは陥落してるんですけど。ちなみに第3位は、シュペートブルグンダー=ピノ・ノワールです。