日本ワインのGI5!(令和4年度現在)

最近、ラベルにGI〇〇と記載されたワインをちらほら見かけるようになってきた。山梨は前からあったような気がするのだけれど、ほかにもあるような気がする……。ということで、調べてみました!

GI(geographical indications)地理的表示の略。
定義はさておき、日本では農林水産省が農水産品について、国税庁が酒類について保護制度を管轄しています。
ワインの地理的表示は早いうちから国際的に義務化されることとなっていて、制度化もされています。2015年からはすべての酒類が制度の対象に。
今は、日本酒、焼酎、梅酒なども、指定されているよ。

ワインにおいては5地域。
山梨(平成25年)、北海道(平成30年)、山形(令和3年)、長野(令和3年)、大阪(令和3年)で、それぞれ特性や原料(ぶどう品種、糖度、補酸等)、製法等において、細かく規定されています。

詳しくは国税庁のホームページ「酒類の地理的表示一覧」で。

ぶどう品種については、それぞれの地域で36品種から57品種が指定。
つまりは、このリスト以外のぶどう品種を使ったワインは、「GIなんとか」が名乗れないらしい。

ざっと見ると、山梨では、甲州やマスカット・ベーリーAのように納得の品種もあるけれど、あまり見かけたことのないヨーロッパ系品種(ヴィニフェラ種)があるかわりに、アジロンダックがなかったりもする。山梨県果樹試験場の品種が生食用以外は新品種を含めリストに入る。川上品種はローズシオターとレッドミルレンニューム以外の3つ。ただ、ヤマブドウ系の品種は入らない。どうやら、甲州、MBA、デラウェア以外の生食用品種は、入れない方針のような?

長野は、ワインプレミアムのカテゴリーを設けているために、細かく分類されているのだけれど、特徴的なぶどう品種としては、竜眼。浅間メルロや信濃リースリング、シャルドネ・ドウ・コライユなどマンズワインやサントリーで作られた品種。ここに、山梨には見られなかったコンコードとナイアガラ、セイベル、巨峰といったラブラスカ交配種や小公子やヤマ・ソーヴィニオンといったヤマブドウ系が入る。
ケルナー、ミュラー・トゥルガウといった寒い地域の品種も、山梨にはないけれど、長野には入る。

北海道は、長野で見られる寒い地域のヴィニフェラに加えて、さらにレンベルガーなどドイツ系の品種、ポートランドやキャンベル・アーリーなど北米系交配種が入り、セイベルの種類が増える。ここから派生する清見、さらにヤマブドウとの交配の山幸ももちろん入る。

山形で特徴的なのは、リースリング・リオン&リースリング・フォルテ。これは、他の地域にはない。あと、スチューベンといくつか。なぜか、シャイン・マスカットやピオーネが入っている。長野、北海道同様北の地域のヴィニフェラも入る。

大阪は、他の地域と違い、生食用と生食用以外の分類。
これは、デラウェア等の食用品種が主体とされているからかも? 生食用以外では、他の地域にもほぼ入っている主要ヴィニフェラ以外に山梨果樹試験場の新しい品種も入る。山梨同様、寒い地域の品種はあまり入らないし(当然ですが)、ヤマ・ソーヴィニヨン以外のヤマブドウは入らないけど、富士の夢が入る。特徴的な品種としては大阪R N-1。大阪R N-1は令和4年に品種登録された新しい品種( 地方独立行政法人 大阪府立環境農林水産総合研究所(環農水研)。府内のワイナリーで40年ほど前に育成された……とのことで、仲村ワイン工房も関わっていることから、ミツオレッドと関係あるのかなぁ?

……と、リストを整理したら、5地域で108品種。知らないぶどう品種も結構あるよぉ。

ちなみに、すべての地域に入っている品種は、デラウェア、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、ピノ・ノワール、リースリング。
(いちおう、エクセルでまとめたのだけど、データの入力が結局のところ手作業になってしまったので、ちょっと自信ないところもあるのだけど。)