令和5年度日本ワイン動向は?(酒類業実態調査アンケート)

令和5年度版の「酒類製造業及び酒類卸売業の概況(国税庁)」については、とっくの前の6月に発表されていて、すでに半年以上経っちゃってるんだけど……。

データについては、やっぱりアンケート調査であって、全体量を把握したものじゃないんだよねーという感触。パーセンテージで置き換えられるものであれば、抽出調査と考えて方向性も見られるんだけど……。

これまで、「日本ワインは伸びているか?」というところで、「国内製造ワインの製成数量構成比及び種類別構成比」から、量とパーセンテージを見てきたんだけど、前年度(令和4年)のデータから、なんか指標にできるのか、怪しくなってきた感じ。
日本ワイン以外 : 令和3年 74,637 令和4年 90,089 令和5年 32,971
日本ワイン   : 令和3年 16,499 令和4年 15,073 令和5年 11,987
令和3年あたりまで、日本ワインは全体の20%くらいで推移してるよね……できてたんだけど、令和4年で日本ワイン以外がいきなり増加、そして令和5年でほぼ三分の一に……となると、データとしては信用できないんだよね。
(たぶん、大手さんの回答がなかったかなんかだと思う)
パーセンテージだけ見ると、今年は国内製造のワインのうち日本ワインは26.7%になっていて、20%前後を推移してた頃と比べて日本ワイン増えたんじゃね?って感じるけど、実態がどうなってるのか……? 事実、量の数値は減ってるしなぁ。

もっとも、ワイナリー数(これは、回答数だけでなく対象数=アンケートの送り先)からすると、468で昨年比プラス15で、微増なんで、伸びているっちゃあ伸びている感じ。ただ、ここ数年、毎年40前後、ワイナリーが増加してたことを考えると、頭打ち感がないわけでもない。

品種的には、大きな変化は感じられない。
白品種の10位が竜眼からバッカスに変わっているけれど、回答の有無も考えれば、あまり大きな変化ではなさそう。
赤品種2位にコンコードを抜いてメルローが上がってきているけれど、これもデータから考えると、ヴィニフェラが生食種を凌駕してきた! とまでは言えないかな。
ピノノアールやツヴァイゲルトの量的に推移を見ても、データに乗ってないだけなのか、それとも採れなかったのかの判断がつきかねるんだよね。
県別データとかを見ても、「ここまで減ってないだろう」という部分も見えるんで、やっぱり前年は回答したけど、当年度は回答してないってところがある感じなんだよね。
ということで、そろそろ令和6年度の概要も発表されるだろうから、それを待って考えたほうがいいのかも?

ところでもうひとつ、今回、調査自体の大きな変化というと、「輸出についてのアンケート」の項目が増えたというところ。
ま、これはワイン製造だけに限らないし、取引量についての項目はこれまでもあったんだけど、量だけではなく、業者の意向なども回答を求めてます。