令和6年日本ワイン動向は?

2025年(令和7年)1月末、ついに令和6年酒類業実態調査アンケートが発表されました。
ワイナリー数は、依然増加傾向。ただし、都道府県別ワイナリー数では、佐賀県と石川県が空白県に。(前年は佐賀と沖縄)
石川県が空白県になったのは、もしかして2024年1月1日の能登半島地震の影響?

まとめると、全国の果実酒製造免許者数は597(前年は 558)
果実酒製造免許場数は、785(前年 745)
ワイナリー数は493(前年は 468)《令和5年1月1 日から
令和5年12 月31 日においてワインの生産又は出荷の事績がある製造場》

ワイナリー数と「国内製造ワインの製成数量構成比及び種類別構成比」をグラフにしてみると……(令和4年度調査の際のグラフに追記)
日本ワイン推移令和5年の「日本ワイン以外」が大きく落ち込んでいるのは、栃木県にある某大手メーカーのデータがなかったせいかな?
昨年『令和5年度日本ワイン動向は』でも書いたんだけど、ワイナリー数が増えてる割には、データにあがってくるワインの総量がそれほど増えてこない。
調査対象者における回答者の割合は、8割強。これも例年バラツキはあるけれど、大きくは違いがない感じ……。アンケートの母体がまだ300程度だし、規模に違いもあるしなぁ。
もっともデータに乗る日本ワインの数量がマイナス傾向ではあるので、よほどのことがない限り、大きく増えてるってことはなさそう。

県別データ、品種別データを見ると、少しずつ変化が見られるようにはなってきたけれど、詳細はもっと詳しく分析しないと何とも言えない感じ。
特にワインは、年ごとの気候にも左右されるけれど、それがハッキリ示されるほどのデータじゃない気もする。
赤白品種のベストテンは、一時期、変わらなかったけれど、昨年、竜眼のかわりにバッカスが入り、今年はピノ・ノワールのかわりにロンドが入った。もっともベスト10の下位あたりなので、それほどの数量に違いはないかも?
バッカスもロンドも、ほとんどが北海道。『果実酒の製成数量・出荷数量・販売(消費)数量の上位10 都道府県』でも、製造量の部門で2位が長野から北海道に入れ替わったのは、それなりの意味があるのかも? もっとも、出荷量はまだ長野が2位。ちなみに日本ワインの1位は、依然として山梨。もっとも山梨のワイナリー数は減少傾向だし、多少、下降傾向かも?

『受入数量上位5地域産のぶどうの品種別内訳』のリストは5位が交代していて、岩手から宮崎へ。もっとも、今年の宮崎の量が昨年5位の岩手の量より少ないので、宮崎が大躍進というわけではないのかも? 
また、『原料用国産生ぶどうの出荷状況』を見ると、ぶどう産地のうち一番、県外への出荷が多いのは山形県。ここには、かみのやまがあるしね。これは、近年かわらない傾向かも?

『原料用生ぶどうの品種別の主要産地及び受入形態の明細』では、赤・白別に品種の上位18品種までを主要産地とどこから生ぶどうを仕入れているかがわかるのだけれど、それを見ると、全体的に北海道を主要産地とするものが増えてる感じ。
大躍進のロンドをはじめ、マスカットハンブルグアムレンシス(MHAM)が新規にベスト18入り。山幸は5年6年ともに11位だけれど量は増え、セイベル13053(清見)も18位から14位にと順位を上げ、量は50倍以上に……(ただ、データの信ぴょう性がイマイチ。)。
5年までベスト10入りしていたピノ・ノワールは、12位に後退。量も減少。また、シラー、甲斐ノワール、プティ・ヴェルドがベスト18落ち。もっともシラー以下は、6年に伸びた品種があるため、入らなかっただけで、数量が減ってるかどうかはわからない。アジロンダックは順位こそ落ちたけれど(17→15)数量は3倍に。
白品種はベスト15で、若干の順位の入れ替わりはあっても、赤ほどの品種の入れ替わりはない。ただ、ピノ・ブランがベスト15落ちして、今年度はついにシャイン・マスカットがベスト15入り。ま、これはボトルでも見かけるようになってきたから、妥当な線だと思う。

もっと大きな傾向が読み取れれば良いのだけど、今のところ、これくらいです。